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文献詳細

雑誌文献

臨床外科46巻11号

1991年10月発行

文献概要

特集 術前・術後管理 '91 H.術後合併症の対策 f.肝・胆・膵・脾術後の合併症

化膿性肝膿瘍

著者: 松代隆1 小笠原鉄郎2

所属機関: 1東北労災病院外科 2東北労災病院内科

ページ範囲:P.308 - P.309

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 ■問題点の解説■
 肝臓は門脈,胆道などを通じてたえず消化管からの細菌感染の機会にさらされているが,通常は血流が豊富なことや細網内皮細胞系の貪食作用により感染から防禦されている.したがって,健常肝に肝膿瘍が発生することはきわめて稀である.しかし,なんらかの原因により肝の抵抗力が減弱したり,細菌感染が高度になると本症発生の危険性が増大するが,実際の臨床上はきわめて稀な疾患である.
 本症の感染経路として,①経門脈性,②経肝動脈性,③経胆道性(上行感染),④隣接臓器よりの直接感染,⑤外傷性,⑥原因不明が考えられる.抗生物質が開発される以前は化膿性肝膿瘍の半数は経門脈性で,とくに虫垂炎に由来するものが代表的疾患とされていた.しかし,最近では胆道系疾患に由来するものと原因不明例がその大半を占めている.前者は多発性,後者は単発性のことが多い.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1278

印刷版ISSN:0386-9857

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