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文献詳細

雑誌文献

臨床外科46巻12号

1991年11月発行

特集 若年者癌診療の実際

若年者乳癌

著者: 稲治英生1 小山博記1 野口眞三郎1 山本仁1

所属機関: 1大阪府立成入病センター外科

ページ範囲:P.1335 - P.1339

文献概要

 若年者乳癌は妊娠・授乳期であるなしを問わず,一般に予後不良であるとされる.自験例についてみても,若年者例(35歳以下)での予後不良傾向が確認された.しかし,既知の病理学的因子にその予後不良の原因を見出すことはできず,ERなど腫瘍の性格に根ざしたものと考えられた.こうした現状打破のために化学療法に寄せる期待が大きい.術後補助療法としては,cyclophosphamide(CPA)投与の有用性,殊に内臓転移抑制効果を示唆する成績が得られ,今後CPAの再評価が必要と思われた.一方,妊娠・授乳期乳癌もかつて考えられていたほど特殊なものではなく,その進行度に応じた治療法を選択すればよいものと思われる.また乳癌術後の妊娠の是非についても,QOLの面からより柔軟な対応が求められるであろう.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1278

印刷版ISSN:0386-9857

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