icon fsr

文献詳細

雑誌文献

臨床外科46巻12号

1991年11月発行

文献概要

特集 若年者癌診療の実際

若年者大腸癌の特徴と治療成績

著者: 下山孝俊1 石川啓2 草野裕幸2 清水輝久2 中越享2 富田正雄2

所属機関: 1大洲市立大洲病院外科 2長崎大学医学部第1外科

ページ範囲:P.1363 - P.1368

文献購入ページに移動
 若年者大腸癌の特性と予後を知るために,最近の報告から40歳未満症例を中心に,自験例と内外の文献を集録して検討した.発生頻度は全大腸癌の2〜11%で男性がやや多い.家族内発生は全大腸癌の0.7〜8.0%,うち遺伝性非ポリポーシス性大腸癌(HNPCC)は1.2〜5.6%で,若年者で右結腸に多く,多発傾向が強い.病理学的には潰瘍浸潤型で垂直方向進展を示す症例が多かった.粘液癌は5.9〜44.4%にみられたが,生物学的悪性度に関しては細胞核DNAの解析からは得られていない.進行癌(Dukes C+D)は53〜77%,治癒切除率50〜83%,治癒切除例の5生率は30〜100%,本邦では70%以上で非若年者と差はない.これらの特徴を配慮した早期診断,早期手術の必要性を強調した.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1278

印刷版ISSN:0386-9857

雑誌購入ページに移動
icon up
あなたは医療従事者ですか?