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文献詳細

雑誌文献

臨床外科46巻12号

1991年11月発行

文献概要

特集 若年者癌診療の実際

若年者の癌化学療法—特に自家骨髄移植併用大量化学療法について

著者: 井上雄弘1 向山雄人1 小川一誠1

所属機関: 1癌研究会附属病院化学療法科

ページ範囲:P.1377 - P.1384

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 癌による死亡は30歳台ですでに死因の28%を占め,40歳台では36%となっている.若年者の癌化学療法では高齢者と異なり,臓器機能やperformance statusが十分保持されていることが多く,十分量の抗癌剤の投与が可能である.そのため現在の再発進行癌に対する通常の治療より,より高い奏効率と長い生存期間,ひいては治癒を得るために自家骨髄移植を併用した抗癌剤の大量療法が研究されている.特に最近,自家末梢血造血幹細胞の移植やコロニー刺激因子の臨床応用による移植幹細胞の分化・増殖促進が可能となり,より安全に大量療法が実施されるようになった.悪性リンパ腫や乳癌の耐性化例に対しても奏効率は80%と高く,今後の若年者に対する癌化学療法のひとつの方向を示している.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1278

印刷版ISSN:0386-9857

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