文献詳細
文献概要
特集 急性腹症の近辺—他科からのアドバイス
急性腹症の心身医学的側面
著者: 福永幹彦1 美根和典1 村岡衛1 中川哲也1
所属機関: 1九州大学医学部心療内科
ページ範囲:P.181 - P.189
文献購入ページに移動また術後愁訴症候群の患者も,腹痛を主訴として救急外来を受診することがある.これらの患者は,様々な心理的加重によって症状が修飾されており,機能障害を伴っていることも多い.
そのほか,救急外来を受診する患者のなかには,不安性障害や抑うつ性障害の患者も存在する,これらの患者が腹部症状を訴える場合もあるが,その場合,基礎疾患の診断がなされなければ鑑別診断は困難であろう.
急性腹症の診断は現在なお大きな問題である.心療内科で扱われるこれらの疾患は,緊急手術が必要でない疾患として除外されるべきものであるが,その病態についてはあまり知られていない.鑑別除外すべき疾患をよく理解していることは,救急外来担当医にとり有用であると考えられる.
掲載誌情報