臨床外科46巻3号

1991年03月発行

カラーグラフ Practice of Endoscopy

胃・十二指腸内視鏡シリーズ・ⅩⅡ

狭窄の治療

著者： 小西敏郎¹ 平石守¹ 真船健一¹ 三山健司¹ 平田泰¹ 吉田純司¹ 森潔¹ 出月康夫¹

所属機関： ¹東京大学医学部第2外科

ページ範囲：P.271 - P.275

文献概要

手術不能進行胃癌の狭窄
　1．噴門部の狭窄
　食道癌や胃癌による噴門部の狭窄が高度の症例で手術不能の場合は，たとえ一時的であっても食物摂取が可能となるレーザー内視鏡による拡張治療は，患者にとって有意義な治療である．これまでに12例の進行食道癌・胃癌の狭窄例にNd-YAGレーザー治療を行った．癌浸潤による高度の狭窄部にNd-YAGレーザーを照射すると，組織は蒸散（vaporization）効果により脱落し，内腔の拡張が得られるので，ほとんどの症例で経口摂取の改善を認めている．