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文献詳細

雑誌文献

臨床外科46巻3号

1991年03月発行

特集 乳房温存療法の実践

乳房温存療法はQuality of Lifeを向上させるか

著者: 久保完治1

所属機関: 1国立名古屋病院第3外科

ページ範囲:P.329 - P.333

文献概要

 乳房温存療法後のQuality of Life(QOL)を,その支配的要因である心理面から考察した.その第一は疾病そのものに関わるもので,癌による個体維持機能の不全に対する本能的恐怖である.第二は治療方式に関するもので,手術による種族保存機能の侵害についての不安である,第三は身体的拘束に基づくもので,社会生活の障害による集団帰属本能の不安である.このようなことによる情動の不安定がQOLを劣化させる機序であろう.
 上述の視点から考えると,乳房温存療法後のQOLはPatey術式と比較して,実質的な向上はあまり期待できない.しかし,容姿や活力の心像では有利な点がある.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1278

印刷版ISSN:0386-9857

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