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文献詳細

雑誌文献

臨床外科46巻4号

1991年04月発行

特集 癌のPalliative Therapy

噴門部癌の通過障害に対する姑息的治療—バイパス術とプロテーゼ留置術

著者: 三重野寛喜1 嶋尾仁1 比企能樹1

所属機関: 1北里大学東病院消化器疾患治療センター外科

ページ範囲:P.421 - P.427

文献概要

 噴門部癌のpalliative therapyとして,バイパス術とプロテーゼ留置術について述べた.バイパス術は,症状の緩和と,ある程度の予後と,quality of lifeの改善の期待できる症例に限るべきである.手術は大彎側分割胃管か,空腸によるRoux-Y再建が安全で簡便な方法である.プロテーゼは,食道癌のそれと比較して述べた.噴門部癌のプロテーゼは著効率56%で,食道癌の73%に比し必ずしも満足できる成績ではなかった.しかし,術後早期より常食摂取可能な例もあり,また,きわめて短時間で留置でき,安全な方法であるので,今後新しいプロテーゼの改良などで,手術不能の噴門部癌通過障害のpalliative therapyとして期待できる.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1278

印刷版ISSN:0386-9857

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