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文献詳細

雑誌文献

臨床外科46巻4号

1991年04月発行

文献概要

特集 癌のPalliative Therapy

骨盤内臓器癌による排尿障害

著者: 平沢潔1 岩動孝一郎2

所属機関: 1東京大学医学部泌尿器科 2東京逓信病院泌尿器科

ページ範囲:P.449 - P.455

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 骨盤内臓器癌による排尿障害として問題となるのは,癌が尿管に浸潤し,尿管が閉塞されることにより生じる腎後性腎不全と,直腸癌における直腸切断術後の神経損傷による排尿障害があげられる.腎後性腎不全の対策としては,経皮的腎瘻造設術が超音波監視下に比較的安全かつ確実に施行できる方法である.ほかに,尿管内W-Jカテーテル留置,尿管皮膚瘻術,回腸導管術を症例により選択する.直腸切断術後の排尿障害は,リンパ節郭清など拡大手術ほど,出現頻度が高い.対策としては,術後,なるべく早期に間歇的自己導尿を開始することが重要である.これにより,尿路感染を予防し,膀胱機能の自然回復を期待できる.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1278

印刷版ISSN:0386-9857

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