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特集 術前一般検査—異常値の読みと対策
文献概要
術後腎不全は,術中術後の病態の変動により,術前になんら異常を認めない患者にも発生するが,術前から腎障害を持った患者ではそのリスクが高くなる.近年の血液浄化療法の進歩に伴い,術後腎不全を発症した患者の管理は比較的容易となり,術前に腎障害が認められたからといって,手術適応を制限する必要はなくなった.しかし,患者の高齢化,糖尿病患者の増加など,術後腎不全発症の可能性は高まっている.したがって,術前に患者の病歴,身体的所見,一般検査結果などから腎疾患のスクリーニングを行うとともに,腎機能検査を正確に評価し術前管理を行っていく必要がある.
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