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文献詳細

雑誌文献

臨床外科46巻5号

1991年05月発行

臨床報告

虫垂重積症の1例

著者: 篠原一彦1 吉野吾朗1 柚本俊一1 佐藤紀1 出月康夫1 名富仁美2

所属機関: 1東京大学医学部第2外科 2東京大学医学部第3内科

ページ範囲:P.629 - P.631

文献概要

はじめに
 虫垂は外科臨床の中で扱われる頻度の多い臓器の一つであるが,そのほとんどは急性虫垂炎とその合併症である.
 しかし,稀ながらも他の消化管と同様に腫瘍や重積などの病態が存在する.虫垂重積症も,McKiddにょり1858年に報告されて以来,これまでに200例弱が内外の文献に報告されているにすぎない稀なる疾患である.Collinsの71,000例の虫垂の検索では,良性腫瘍4.61%,悪性腫瘍1.35%であり,それぞれに上皮性,非上皮性,リンパ系,カルチノイドなど,多彩な種類を有している.そして,重積症は0.01%にすぎなかった1〜3).虫垂の腫瘍や重積症はそれぞれが臨床の中で頻度も少なく特徴的な症状や所見に乏しいことから,虫垂が諸検査の及びにくい大腸の最深部に位置するという解剖学的条件も相まって,術前の質的診断が困難であることが多い疾患である.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1278

印刷版ISSN:0386-9857

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