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文献詳細

雑誌文献

臨床外科46巻6号

1991年06月発行

特集 食道静脈瘤治療の焦点

Child C患者へのアプローチ

著者: 原田明生1 野浪敏明1 中尾昭公1 岸本若彦1 高木弘1

所属機関: 1名古屋大学医学部第2外科

ページ範囲:P.669 - P.675

文献概要

 内視鏡的硬化療法(EIS)の普及に伴って,治療対象となるChild C症例が著しく増加してきた.教室では,適応基準を満たすChild C 18例に胃上部切除術を行ったが,その5年,10年累積生存率はそれぞれ64%,53%と良好であった.術後5年以降再発静脈瘤からの出血率が増加したが,EISの施行が予後の改善にきわめて有効であった.EIsを施行したchild C症例の3年累積生存率は23%であった.緊急出血例の96%が止血可能であったが,そのうちの34%が主に肝不全により死亡した.Child C症例に対しては,病態に応じたEIS、手術などの治療法の選択が可能となったが,予後の改善には肝不全対策も含めた検討が必要と思われる.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1278

印刷版ISSN:0386-9857

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