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文献詳細

雑誌文献

臨床外科46巻6号

1991年06月発行

特集 食道静脈瘤治療の焦点

食道静脈瘤の薬物療法

著者: 豊永純1 岩尾忠1 谷川久一1

所属機関: 1久留米大学医学部第2内科

ページ範囲:P.685 - P.694

文献概要

 食道静脈瘤破裂の機序として,門脈圧の病的上昇以外に決定的なものは明らかにされていない.したがって,門脈圧低下作用を有する薬物は静脈瘤破裂の予防的見地から有効であるものと思われる.門脈圧降下剤はその機序から,vasoconstrictorとvasodilatorに大別される.前者は主として内臓血管抵抗を上昇させることで門脈血流量を減じ,後者は肝内血管抵抗を低下させることにより門脈圧を低下させる.この薬理作用から,vasoconstrictorの使用にあたっては肝機能への悪影響が懸念される.それゆえ,今後はvasodilatorを主体とした治療に成果が期待される.また,両者のcombination therapyも最近新たに試みられており,この面からも期待がもたれる.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1278

印刷版ISSN:0386-9857

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