icon fsr

文献詳細

雑誌文献

臨床外科46巻6号

1991年06月発行

文献概要

小児外科医の独白・6

鎖肛(国際分類)

著者: 角田昭夫1

所属機関: 1神奈川県立こども医療センター病院

ページ範囲:P.748 - P.749

文献購入ページに移動
 『神の汚れた手』『小児疾患と文学』の第6章「鎖肛」は曾野綾子作品の紹介である.1979年の朝日新聞朝刊に連載された『神の汚れた手』.三浦半島に居を構える産婦人科医を主人公にしたこの小説には,小児病院の場面もあるし,外科的先天奇形がたくさん登場する.ダウン症候群児の高位鎖肛で,その他尿道下裂,唇裂,口蓋裂,心室中隔欠損が合併,さらに親の折檻(虐待)で盲であり,まさに作者の言う「苛酷な状態にある」こどももいる.
 ただ第5章までは小児疾患が作品のモチーフだったり,題名に病名が使われたりしたものばかりを取り上げていたが,そうそう種も続かず,作品中に疾患が脇役的に登場するものも使わざるを得なくなったのが第6章であり,その後もこれを踏襲してしまった.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1278

印刷版ISSN:0386-9857

雑誌購入ページに移動
icon up
あなたは医療従事者ですか?