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特集 熱傷治療のトピックス
文献概要
熱傷に伴う呼吸器系障害には,顔面・頸部熱傷に伴う上気道閉塞,胸壁熱傷による胸郭運動障害,気道熱傷,ショック離脱期の体液再分布異常の結果生じるhydrostatic pulmonary edema,免疫能低下を背景にした感染に続発する呼吸器障害などがある.これらは,受傷後の経過とともに順次発症してくる.よって,治療としては,次に起きるであろう呼吸障害を予測し,対策を立てることが重要である.受傷早期においては,気管内挿管の時期を逃さないことが大切であり,その後は,病態に応じた呼吸管理を行う.しかしながら,それらの治療の前提として,適切な循環管理や,熱傷創面の管理,栄養管理などの全身管理が不可欠である.
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