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文献詳細

雑誌文献

臨床外科46巻9号

1991年09月発行

文献概要

特集 胃癌の治療update

腹部大動脈周囲リンパ節郭清の適応と成績

著者: 愛甲孝1 帆北修一1 才原哲史1 島田麻里緒1 夏越祥次1 吉中平次1 高尾尊身1 島津久明1

所属機関: 1鹿児島大学医学部第1外科

ページ範囲:P.1075 - P.1082

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 腹部大動脈周囲リンパ節(No⑯)転移64例の自験例を中心に,適応・成績を含め,その問題点を検討した.No⑯転移例の郭清群の累積5年率は14%であり,長期生在例の多くは予防的に郭清した症例,No⑯の微小転移症例,転移個数が1〜2個の症例などであった.No⑯の予防的郭清の適応は,①他に非治癒因子がなく,No⑯に転移が疑われる場合,②第2・3群リンパ節転移陽性例(胃上部癌,噴門部癌では第1群リンパ節転移陽性例も含む)における拡大郭清の対象症例,③S1以上の症例(胃上部癌,噴門部癌ではS0を含む)における重点的郭清の対象症例,などである.治療的郭清の適応は,リンパ節転移が単発か,複数でも3個以内の片側のもので,相対的非治癒切除が期待される症例である.今後は同じ適応のもとでrandomized studyによる臨床効果を検討する必要があろう.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1278

印刷版ISSN:0386-9857

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