icon fsr

文献詳細

雑誌文献

臨床外科46巻9号

1991年09月発行

文献概要

特集 胃癌の治療update

80歳以上高齢者胃癌の手術方針と成績

著者: 田中乙雄1 武藤輝一1 鈴木力1 藍沢喜久雄1 西巻正1 片柳憲雄1 田中陽一1

所属機関: 1新潟大学医学部第1外科

ページ範囲:P.1089 - P.1094

文献購入ページに移動
 1961〜1990年までに教室で切除した80歳以上の胃癌症例42例を対象として手術方針と成績について検討した.術後合併症は9例(21%)に発生し,そのうち3例(7%)が手術直接死亡となった.術前合併症と術後合併症の発生には相関は認められなかった.胃全摘例での術後合併症の発生は幽門側切除例と比較し高率であった.郭清度別ではR0例での合併症発生率はR1,R2と比較し低率であった.治癒切除例の5年生存率は46%であり,R2例では60.8%であった,相対非治癒切除例での5年生存率は23.8%,R0例で40%であった.
 80歳以上の胃癌症例に対する治療は個々の症例により手術術式を選択し,適切な術前・術後管理を行えば十分手術適応はあると考える.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1278

印刷版ISSN:0386-9857

雑誌購入ページに移動
icon up
あなたは医療従事者ですか?