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特集 外科における超音波検査—新しい展開
術中超音波検査—肝・胆・膵を中心とした治療への応用
著者: 万代恭嗣1 出月康夫1
所属機関: 1東京大学医学部第2外科
ページ範囲:P.83 - P.90
文献購入ページに移動 1960年代に始められた術中超音波検査は,その後の装置の改良や肝臓外科の発展とともに,現在では多くの施設で行われるようになっている.術中超音波検査の役割は,術中に得られる新たな情報に基づいて不必要な手術操作を省くとともに生体に対する侵襲を軽減したり,手術操作を補助することにある.また,骨や腸管内ガスに妨げられないので死角がなく,高周波数の探触子を用いた分解能の良い画像が得られる利点をもつ.本検査法は,肝切除術における娘結節の診断や手術のガイド,遺残結石の診断,胆嚢癌や膵癌の進展度診断,インスリノーマの局在診断などに応用されており,またカラードプラ装置の術中応用も可能となっている.今後も装置の改良により,術中超音波検査のより一層の普及が期待される.
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