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文献詳細

雑誌文献

臨床外科47巻11号

1992年10月発行

文献概要

特集 外科患者・薬物療法マニュアル Ⅱ.感染症の薬物療法

1.肺化膿症

著者: 白日高歩1

所属機関: 1産業医科大学第2外科

ページ範囲:P.48 - P.49

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 肺化膿症の病体1)ならびに基本的事項 肺化膿症は肺の化膿性炎症を総称するものであり,以前は喀出痰の性状より肺膿瘍(pulmonaryabscess)と肺壊疽(pulmonary gangrene)に区別されていた.今日では肺壊疽に遭遇する機会は稀であり,また,かつて外科治療の対象となっていた難治性かつ壊死傾向の強い肺膿瘍についても経験する機会が減ってきている.通常,肺化膿症は臨床的にprimary typeとsecondary typeに分類される.前者は既往病変がなく,一次的感染によって生じたものをさし,後者は肺癌,気管支拡張症などに併発した病変をさす.また肺化膿症は病態的に気管支性,血行性,肺炎からの続発性に分けられる。気管支性の発生要因としては,①気道閉塞によりその末梢部の感染,壊死が生じることによる.②経気道性に吐物,膿汁などを吸引し化膿性変化を惹起することによる,の2種が挙げられる.血行性の化膿巣形成は主として菌血症からの肺感染に引き続いた膿瘍化であり,起炎菌としては黄色ブドウ球菌が代表的存在である.また肺炎に引き続いて発症する続発性肺化膿症は,毒力の強い肺炎桿菌,ブドウ球菌,連鎖球菌およびそれらの混合感染によって引き起こされることが多い.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1278

印刷版ISSN:0386-9857

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