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文献詳細

雑誌文献

臨床外科47巻11号

1992年10月発行

文献概要

特集 外科患者・薬物療法マニュアル Ⅳ.術後愁訴・合併症に対する薬物療法

3.鼓腸

著者: 山田一隆1 島津久明1

所属機関: 1鹿児島大学医学部第1外科

ページ範囲:P.122 - P.124

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 鼓腸とは腸管内に多量のガスが貯留した状態であり,その成因としては,①空気嚥下量の増加,②腸管内ガスの産生増加,③腸管内ガスの通過・排出障害,④腸管内ガスの吸収障害,などが挙げられる.手術後の鼓腸は,開腹手術とくに消化管の手術後にしばしばみられるが,その主な原因は術後の麻痺性あるいは癒着性イレウスである.これらの病態生理の概要は図に示すとおりである.開腹手術後には一時的な腸管運動の減弱が起こり,排ガスの停止や腸蠕動の消失とともに軽度の鼓腸,いわゆる生理的イレウスといわれる状態をきたす.一般に,術後24〜48時間に腸蠕動音が聴取され,48〜60時間には排ガスが起こって軽快する.しかし,腸管運動の高度な障害が長時間続いたり,いったん回復した後に再度減弱するような場合には麻痺性イレウスの状態となる.また,腹部手術後には癒着性イレウスも比較的多く認められる.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1278

印刷版ISSN:0386-9857

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