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文献詳細

雑誌文献

臨床外科47巻11号

1992年10月発行

特集 外科患者・薬物療法マニュアル

Ⅳ.術後愁訴・合併症に対する薬物療法

4.下痢・便秘

著者: 望月英隆1 市倉隆1

所属機関: 1防衛医科大学校第1外科

ページ範囲:P.126 - P.127

文献概要

 術後の下痢
 1.分類
 術後の下痢は,発生原因によって,表のごとく,A.消化管短縮による消化・吸収面積の減少に起因するもの,B.リンパ節郭清に伴う腹腔神経叢の損傷によって腸蠕動が亢進するために生じるもの,C.膵全摘術にみられるごとく,消化酵素の不足に起因し,脂肪便を主としたもの,D.術後の感染性腸炎によるもの,E.その他,に分類される.これらのなかでDの感染性腸炎は近年特に注目されている病態である.術後2〜3日目といった早期に認められることが多いが,経口摂取を開始して幾日か経った後に発症することもあり1,2),水様下痢便を大量に排泄する.特にメチシリン耐性黄色ブドウ球菌(MRSA)による腸炎では暗緑色の水様下痢便が7,000 ml/日以上に達することもある.Eのその他の下痢の中にはDoug-las窩膿瘍によるものがあり,これは膿瘍によって直腸膨大部が刺激されるために生じ,下痢は少量ずつ頻回に認められるものである.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1278

印刷版ISSN:0386-9857

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