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文献詳細

雑誌文献

臨床外科47巻11号

1992年10月発行

特集 外科患者・薬物療法マニュアル

Ⅳ.術後愁訴・合併症に対する薬物療法

6.低酸素血症

著者: 福田充宏1 小濱啓次1

所属機関: 1川崎医科大学救急医学教室

ページ範囲:P.130 - P.131

文献概要

 低酸素血症の原因には,O2摂取量の低下,循環障害,Hb含量の低下,細胞毒性などがあり,組織のO2が足りない低酸素状態をhypoxia,動脈血中のそれを低酸素血症(hypoxemia)と呼ぶ.客観的指標としては動脈血ガス分析(室内空気下)にてPaO2が正常値(100-0.4×年齢mmHg)以下に低下した場合をいい,特にPaO250mmHg以下に低下した場合には,これを放置すれば細胞内のミトコンドリアで行われる酸化的リン酸化が遂行されず,組織障害が進行し多臓器不全に陥るため,早急に改善する対策を要する.
 低酸素血症にはPaCO2の上昇を伴うものと正常または低下を示すものに分けられ,前者は肺胞低換気を,後者は肺胞気動脈血酸素分圧較差(A—aDO2)の拡大を意味し,これにはシャント(無気肺),換気血流比不均等分布(肺塞栓),拡散障害(肺水腫)が含まれる.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1278

印刷版ISSN:0386-9857

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