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文献詳細

雑誌文献

臨床外科47巻11号

1992年10月発行

文献概要

特集 外科患者・薬物療法マニュアル Ⅴ.併存疾患をもつ外科患者の薬物療法

4.痴呆

著者: 西村健1

所属機関: 1大阪大学医学部精神科

ページ範囲:P.154 - P.155

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 痴呆患者の症状は,痴呆の段階によって大きな違いがある.初期段階の痴呆では,記憶力,思考力,判断力の低下は比較的軽度で,自分の身辺処理程度の日常生活適応能力や理解力は保たれている.しかし,手術前後には状況の理解が悪く,落ち着きがなくなったり睡眠障害が現れたりすることがあり,それらの改善のために薬物の使用が必要になることがある.
 痴呆が進行し中等度あるいは高度の痴呆になると,知的能力の低下に随伴して易怒,興奮,粗暴な行為,俳徊,不潔行為,不眠,叫声,せん妄など,看護や介護を困難にする種々の問題症状が頻繁に出現する.したがって,この段階の痴呆患者の外科的処置に当たっては,薬物による十分な鎮静化が必要である.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1278

印刷版ISSN:0386-9857

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