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特集 外科患者・薬物療法マニュアル Ⅴ.併存疾患をもつ外科患者の薬物療法
15.気管支喘息
著者: 滝沢始1 伊藤幸治
所属機関: 1東京大学医学部物療内科
ページ範囲:P.182 - P.184
文献購入ページに移動 気管支喘息患者にみられる,①気道過敏症,②気道閉塞,③粘液過分泌といった病態は,術中・術後の呼吸器合併症のリスクファクターとなる.予想される合併症の主なものは1),1)気管支挿管に伴う急性の反射性の気管・気管支攣縮 2)気管支喘息発作による気道閉塞のために低酸素血症,高炭酸ガス血症を起こしうる.3)気道分泌の排出不良(術中は陽圧調節呼吸のため,また術後は仰臥位や疼痛のため)による気道閉塞 4)2,3)に基づく無気肺(microatelectasisから葉単位のものまで)と呼吸器感染症 5)2,3)に基づく気胸・気縦隔,肋骨骨折など
一般に,これら合併症のリスクは,①術前の喘息のコントロールの状態,②呼吸器感染症合併の有無,③手術術式(開胸術や上腹部手術のほうが他よりリスク大),④麻酔のタイプ(全麻,気管内挿管下のほうが局麻下よりリスク大)などによって左右される.したがって,慎重で的確な術前評価と必要な治療を行うことが,手術を安全に施行するために重要である2).
一般に,これら合併症のリスクは,①術前の喘息のコントロールの状態,②呼吸器感染症合併の有無,③手術術式(開胸術や上腹部手術のほうが他よりリスク大),④麻酔のタイプ(全麻,気管内挿管下のほうが局麻下よりリスク大)などによって左右される.したがって,慎重で的確な術前評価と必要な治療を行うことが,手術を安全に施行するために重要である2).
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