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文献詳細

雑誌文献

臨床外科47巻12号

1992年11月発行

カラーグラフ シリーズ・新しい内視鏡治療・3

腹腔鏡を用いた急性胆嚢炎の治療

著者: 木村泰三1 吉田雅行1 桜町俊二1 松田寿夫1 後藤秀樹1 高林直記1 和田英俊1 今泉強1 原田幸雄1 橋本治光2 金丸仁2

所属機関: 1浜松医科大学第1外科 2藤枝市立志太総合病院外科

ページ範囲:P.1399 - P.1404

文献概要

 はじめに
 急性胆嚢炎を急性期に手術するかどうかについては,議論のあるところである.米国においては,患者の病悩期間の短縮,入院期間の短縮,早期社会復帰,経済性など急性胆嚢炎の急性期手術の利点が強調され,急性胆嚢炎は急性期に手術されるのが通常となっている.
 一方,わが国においては,保険制度の違いからか,上記の利点より,急性期手術を行った場合の診断の不確実さや手術の困難性を重視し,いったん保存的治療により炎症を消退させたあと,胆嚢摘出術を行う方針をとる施設が多い.特にPTGBDが用いられるようになり,炎症を比較的早く安全に消退させうるようになった今日,その傾向がまた強くなっているように思われる.同様の傾向は腹腔鏡下胆嚢摘出術(以下LC)においてもみられ,米国では,相当数の急性期手術が腹腔鏡下に施行されているのに対し,わが国では,急性胆嚢炎の急性期に行われたLC症例は少ない.
 しかし,わが国においても,積極的に急性期手術を行っている施設もある.筆者は,開腹胆嚢摘出術において,胆石・胆嚢炎の手術時期と手術成績について比較検討を行ったことがある1)

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1278

印刷版ISSN:0386-9857

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