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文献詳細

雑誌文献

臨床外科47巻4号

1992年04月発行

特集 静脈・経腸栄養のトピックス

新しい栄養素材—核酸成分輸液

著者: 岩佐正人1 小越章平1 韓相宗1 岩佐幹恵1 田宮達男1

所属機関: 1高知医科大学第2外科

ページ範囲:P.475 - P.479

文献概要

 Criticalな状態にある患者,高齢者あるいは大手術の術後にあっては生体内のいわゆる核酸プールが減少し,需要が高まっていることが示唆されている.小越らは,種々のnucleotide,nucleosideを配合した総合的核酸成分輸液(OG-VI)を開発し,実験的検討を重ね良好な結果を得,現在臨床的には第1相試験を終了し,近く第2相試験が開始される予定である.
 14C-leucineを用いた実験では,OG-VIをTPNに併用することにより肝臓,筋肉のfractional proteinsynthetic rateを有意に亢進させ,蛋白合成能,窒素バランスの改善に有用であった.また,NMRによるin vivoでの心筋のanoxiaからの回復過程でのエネルギー代謝の検討でも,PCr/Pi,ATP,energy chargeは対照群に対して有意に高値を示し,OG-VIの有用性が示唆された.今後,臨床的にも種々のcritical stageにおける核酸成分輸液の効果が期待される.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1278

印刷版ISSN:0386-9857

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