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文献詳細

雑誌文献

臨床外科47巻4号

1992年04月発行

小児外科医の独白・16

肥厚性幽門狭窄症(3)

著者: 角田昭夫1

所属機関: 1神奈川県立こども医療センター

ページ範囲:P.508 - P.509

文献概要

 疫学 肥厚性幽門狭窄症が東洋人に比べて白人に多いことは,Shimがハワイの多民族を比較して報告1)している.1942〜1966年の出生証明ファイルに基づく調査で,白人は1/530,プエルト・リコ人1/1,000,韓国人は1/1,250,日本人は1/1,920,の頻度であった.日系人の母数74,000人は,白人の83,000人に次いで多い.この論文でShimは出生順位まで調査し,第1子に多く,全体の36%を占めたという.
 また男性に多いことも,小児外科の教科書2)には必ず書かれてある.最近『先天異常を理解する』3)という本を寄贈され,一般向けにわかりやすく書かれているので愛用しているが,この中にも肥厚性幽門狭窄症が取り上げられている.すなわち唇裂,心臓奇形,内反足などとともに,多因子遺伝による先天異常に分類され,その特徴の6番目:男女間に発生頻度差がある疾患の例示として,男性の肥厚性幽門狭窄症,女性の先天性股関節脱臼があげられる.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1278

印刷版ISSN:0386-9857

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