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文献詳細

雑誌文献

臨床外科47巻5号

1992年05月発行

文献概要

特集 腫瘍マーカーの理論と実際

胆道癌・膵癌の腫瘍マーカー

著者: 佐竹克介1

所属機関: 1大阪市立大学医学部第1外科

ページ範囲:P.573 - P.579

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 胆道癌,膵臓癌は消化器癌のなかでも予後不良の癌であり,その予後改善のためにはより早期の発見が必要となる.かかる観点より胆道,膵臓の癌を簡便にかつ的確に診断できる腫瘍マーカーが必要となる.胆道癌,膵臓癌の診断のためCEA,CA 19-9,CA 50,Span−1,DUPAN−2などの腫瘍マーカーが広く使用されているが,スクリーニングテストとして使用可能な満足すべき感受性と特異性を有するものは発見されていない.したがって,腫瘍マーカー測定単独では胆道癌,膵臓癌の診断は不可能に近い.しかし,症状を有し,腫瘍マーカーの上昇のみられた患者に対しては画像診断を用いて癌の発見に努めるべきで,癌の補助診断として役立つ.また,これら腫瘍マーカーは腫瘍の増大とともに増加するものが多く,患者の治療前後のモニターに有用である.腫瘍マーカー測定単独による胆道癌の早期発見は困難であるが,膵癌においては4.0cm以下の小膵癌で70%前後にCA 19-9,Span−1の上昇がみられ,早期診断の可能性も示唆される.本稿では,これら腫瘍マーカーの胆道癌,膵臓癌の診断に対する一長一短について現在までの知見を述べた.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1278

印刷版ISSN:0386-9857

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