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特集 腫瘍マーカーの理論と実際
文献概要
癌の骨転移の検査には原腫瘍に比較的特異性の高い腫瘍マーカーを選択するが,この病態では骨代謝関連の各種マーカーも変動する.アルカリフォスファターゼとアイソザイム,血中カルシウム,オステオカルシン,プロコラーゲンペプチド,尿中ハイドロキシプロリンなどの骨代謝関連マーカーは骨のturnoverを反映し,骨転移がなくてもPTHrP産生腫瘍などで変動することがあるので留意しておきたい.骨転移に対する治療は姑息的ではあるが,その効果は通常の癌姑息的治療の場合よりも大きく,症状,画像診断なども含めた広い意味での腫瘍マーカーに注意して診療にあたりたい.
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