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文献詳細

雑誌文献

臨床外科47巻6号

1992年06月発行

特集 いまイレウスを診療する

E イレウス診療におけるpitfall

イレウス診療におけるpitfall—当院の重症化症例の検討から

著者: 鈴木篤1 露木静夫1 大倉哲朗1 岡村博1 高重義1 内村逸郎1 泉宏重1

所属機関: 1みさと健和病院外科

ページ範囲:P.783 - P.789

文献概要

 ポイント:イレウス治療は,その原因に即応した手術療法の一方で,高カロリー輸液やlong tubeなどによる保存療法が普及し,癒着性イレウスの手術率は低下傾向にある.しかし,イレウス診療には時にpitfallがあり,特に保存療法例には注意が必要である.そこで,地域病院である当院の8年間のイレウス症例364例の中で,イレウス診療上のpitfallを検討した.当院の癒着性イレウスに対する手術率は17.6%まで低下しており,イレウス術後死亡率も4.2%であったが,死亡例の半数は血管閉塞性イレウスであり,この疾患のイレウス診療上の重要性が再認識された.また,開腹術直後例,進行癌術後例,薬物大量内服例,膠原病患者などのイレウスの中に,発症時考えられた成因とは全く異なる病態が存在した症例があり,全身状態に対する敏速な対応と腸管の検索の重要性が確認された.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1278

印刷版ISSN:0386-9857

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