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文献詳細

雑誌文献

臨床外科47巻8号

1992年08月発行

文献概要

特集 膵癌への挑戦 A 膵癌診断の最近の進歩

膵癌診断におけるバルーンカテーテルERP-圧迫撮影法の有用性

著者: 眞栄城兼清1 池田靖洋1 古田耕1 岡本潔1 宮崎亮1 中山吉福1

所属機関: 1福岡大学第1外科

ページ範囲:P.981 - P.988

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 組織診断の判明した膵癌55例,慢性膵炎75例,粘液産生膵病変21例の計151例から,膵癌診断におけるballoon ERP-CSの有用性について検討した.各画像検査法による膵癌診断率は,T1膵癌においてUS43%,CTI4%,血管造影14%であり,これらの検査法では小膵癌の存在診断法として満足すべき成績が得られなかった.通常のERPとballon ERP-CSの診断能を比較すると,後者は疑診例が少なくなり,質的診断能の向上がみられた.粘液産生膵癌に対しても,他の画像検査法より質的診断上優れており,また術式の決定に際しても有意義な検査法であった.手技と合併症に関しては,本法は高度のテクニックを必要とせず,造影剤の注入圧と無菌操作に十分に注意して施行すれば,合併症のほとんどを回避し得た.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1278

印刷版ISSN:0386-9857

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