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文献詳細

雑誌文献

臨床外科47巻9号

1992年09月発行

文献概要

特集 大腸癌治療のフロンティア

大腸癌肝転移の治療—手術療法を中心として

著者: 山本順司1 杉原健一1

所属機関: 1国立がんセンター中央病院外科

ページ範囲:P.1187 - P.1190

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 国立がんセンター外科で最近11年間に経験した大腸癌肝転移切除症例(197例)を対象とし,手術適応,術式,予後因子について検討した.術式の面からは癌を肝離断面に露出させないこと,できれば10mm以上の外科切除断端をとることが重要であった.多発例は単発例より予後が悪かったが,2〜5個の多発例に限ってみると40%の5年生存率が得られた.また,同時性肝転移例は異時性肝転移例より予後が悪かった.外科切除は完全寛解をもたらし得る治療法であり,①肝外他臓器転移例,②肝切除後の肝再発例に対しても転移巣がすべて切除可能ならば,肝切除の適応となる.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1278

印刷版ISSN:0386-9857

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