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特集 大腸癌治療のフロンティア
大腸癌肺転移の治療成績
著者: 呉屋朝幸1
所属機関: 1国立がんセンター中央病院外科
ページ範囲:P.1191 - P.1195
文献購入ページに移動 外科治療の対象となる結腸・直腸癌の肺転移は大腸癌手術症例の約2%であり,それに対する最近の外科治療成績は肺転移巣切除後の5年生存率で30〜42%である.予後因子としては肺転移の個数が重要に予後と関連し,肺単独転移症例では5年生存率は36〜53%に達する.他の予後因子disease freeinterval, tumor doubling timeは生存率との関連は明らかではない.
結果的には本治療法は予期以上の成果を得ているともいえるが,きわめて選択された症例群を取り扱っており,length biasを無視できない.現時点では有効な化学療法がないことが外科治療の理由の1つであるが,将来,有効な化学療法が出現すれば外科治療の適応は変化するものと思われる.
結果的には本治療法は予期以上の成果を得ているともいえるが,きわめて選択された症例群を取り扱っており,length biasを無視できない.現時点では有効な化学療法がないことが外科治療の理由の1つであるが,将来,有効な化学療法が出現すれば外科治療の適応は変化するものと思われる.
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