icon fsr

文献詳細

雑誌文献

臨床外科47巻9号

1992年09月発行

文献概要

特集 大腸癌治療のフロンティア

大腸癌肺転移の治療成績

著者: 呉屋朝幸1

所属機関: 1国立がんセンター中央病院外科

ページ範囲:P.1191 - P.1195

文献購入ページに移動
 外科治療の対象となる結腸・直腸癌の肺転移は大腸癌手術症例の約2%であり,それに対する最近の外科治療成績は肺転移巣切除後の5年生存率で30〜42%である.予後因子としては肺転移の個数が重要に予後と関連し,肺単独転移症例では5年生存率は36〜53%に達する.他の予後因子disease freeinterval, tumor doubling timeは生存率との関連は明らかではない.
 結果的には本治療法は予期以上の成果を得ているともいえるが,きわめて選択された症例群を取り扱っており,length biasを無視できない.現時点では有効な化学療法がないことが外科治療の理由の1つであるが,将来,有効な化学療法が出現すれば外科治療の適応は変化するものと思われる.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1278

印刷版ISSN:0386-9857

雑誌購入ページに移動
icon up
あなたは医療従事者ですか?