文献詳細
臨床研究
MRI,CTによる直腸癌の進行度診断
著者: 青野景也1 蜂須賀喜多男1 山口晃弘1 磯谷正敏1 近藤真治1 新美教弘1
所属機関: 1大垣市民病院外科
ページ範囲:P.1231 - P.1235
文献概要
近年,食生活の欧米化とともに直腸癌の発生頻度が場加している.癌の根治性を追求するあまり拡大郭清の傾向があったが,これは同時に排尿障害,性機能障害等の機能障害をきたす結果となった.このような反省に立って,現在は機能温存手術に強い関心がもたれている.最大限の機能を温存し,しかも十分な根治性を得るために術前に正確な進行度診断を行うことが必要となってきた.
われわれは1983年からCTを用いて直腸癌の進行度診断を行っているが,最近ではMRIを併用して壁深達度,リンパ節転移,他臓器浸潤を診断している.MRIはその特性として,組織のコントラストがよい,骨や空気によるartifactがない,任意の断面が得られるなどの点により,複雑な立体構造を有する骨盤内臓器の画像診断には有用な手段と考えられる.今回,MRI, CTの両者を用いて直腸癌のstageの診断を試みたので,その成績について報告する.
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