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文献詳細

雑誌文献

臨床外科48巻1号

1993年01月発行

文献概要

特集 消化器癌切除材料取扱いマニュアル

食道癌切除材料の取扱い(1)

著者: 小野由雅1 鶴丸昌彦1 宇田川晴司1 梶山美明1 海上雅光2 秋山洋3

所属機関: 1虎の門病院消化器外科 2虎の門病院病理学科 3虎の門病院

ページ範囲:P.23 - P.27

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 はじめに
 胸部食道癌の外科治療は,今日では頸胸腹部の三領域にわたるリンパ節郭清と切除再建術が,標準術式として広く行われている1).また,その治療成績の向上も確認され,さらにこの術式の普及とより良好な成績を得るための工夫が行われている.すなわち,この術式の範囲を越えて進展した超進行癌や,この術式に適応したにもかかわらず再発をきたす高悪性度癌の症例に対して,いっそう根治性を追求した拡大郭清や他臓器合併切除の術式が開発されている.また一方では,色素法の開発により,内視鏡検査で早期または表在癌症例を多く見出すことが可能となり,内視鏡超音波検査法の導入により,深達度やリンパ節転移状況の術前診断までが詳細に得られるようになってきている2).そして三領域郭清より得られるリンパ節転移の実態と再発形成が検討され,リンパ節郭清範囲の合理化も進められている.
 今回私どもは,以上の認識のもとに現在行っている定型的三領域リンパ節郭清と切除を行った胸部食道癌症例の切除材料の検索のうち,特に切除直後に行う切り開きから伸展固定までの新鮮標本の取扱い法について,各過程で心がけている注意点と工夫について記述する.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1278

印刷版ISSN:0386-9857

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