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文献詳細

雑誌文献

臨床外科48巻10号

1993年10月発行

文献概要

特集 今日の肺癌診療

小細胞肺癌治療の実際

著者: 中原数也1

所属機関: 1大阪大学医学部第1外科

ページ範囲:P.1271 - P.1280

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 小細胞肺癌(SCLC)の治療成績を向上させるために,各種化学療法剤による多剤併用法,交替化学療法,化学療法剤のdose intensityの効果が検討された.しかし,現時点では中間生存率がLDで80週,EDで40週,2生率はLDで30%,EDで15%程度である.局所放射線治療は化学療法と同時期に施行した成績が良好であり,今後,副作用をも勘案して照射時期を検討する必要がある.予防的頭蓋内照射は,化学療法後の寛解例に対して施行されるべきである.外科治療は,縦隔鏡生検をも含めた厳密な術前TNM分類により,Stage Ⅰでは50〜80%,Stage Ⅱでは30〜60%の5生率を得ることができる.今後,SCLCの集学的治療における外科治療の意義を明確にするためには,病期進行度をTNMで表現することによって治療成績を検討する必要がある.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1278

印刷版ISSN:0386-9857

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