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文献詳細

雑誌文献

臨床外科48巻11号

1993年10月発行

特集 Dos & Don'ts外来の小外科

Ⅰ.頭部・顔面・口腔

29.下顎骨骨折

著者: 鳥山稔1

所属機関: 1国立病院医療センター耳鼻咽喉科

ページ範囲:P.74 - P.75

文献概要

 下顎骨骨折は,顔面外傷のなかでは鼻骨骨折に次いで多く,頻度は高い.その原因は,交通事故,災害,スポーツ,殴打などの外傷によるもので,受傷時の外力の方向,強さ,種類部位のほか,開・閉口の状態,歯の有無により多様な骨折を起こす.特に直接外力の加わりやすい前歯部,下顎角部,臼歯部に多く,また介達性に関節突起にも骨折が起こりやすい.時には筋突起正中部に起こることもあり,骨折線が1つだけのことより多く分断されることもあり,また上顎骨の骨折,歯の障害,顎神経の障害を伴うこともある.多くの場合,口唇,頬部粘膜,舌などの軟部組織の障害も強い.特に下顎骨には側頭筋,咬筋など筋力の強い力が加わっているので,骨片は筋肉の走行に一致した方向に,小骨片は内上方に,大骨片は外下方に転位することが多い.下顎関節突起頸部骨折では,関節突起は外側翼突筋により前内方に引かれて脱臼したり,関節窩から遠くにあることもある.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1278

印刷版ISSN:0386-9857

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