icon fsr

文献詳細

雑誌文献

臨床外科48巻11号

1993年10月発行

特集 Dos & Don'ts外来の小外科

Ⅲ.胸部

8.乳頭異常分泌

著者: 稲治英生1 小山博記1

所属機関: 1大阪府立成人病センター外科

ページ範囲:P.122 - P.123

文献概要

 乳頭異常分泌(広義)とは,妊娠・授乳期以外の乳頭からの分泌を指すが,これはさらに乳腺の器質的病変の有無により乳頭異常分泌(狭義)と乳汁漏出症とに大別される(表).後者では血中プロラクチンの上昇を伴い,多くは無月経となるので前者との鑑別は容易である.したがって,以下,乳腺疾患としての乳頭異常分泌(狭義)で,しかも腫瘤を触知しない場合に話の焦点を絞る.乳頭異常分泌の原因となりうる主な乳腺疾患には,乳管内乳頭腫,乳腺症,乳癌などがある.われわれの乳頭異常分泌症に対する診断手順を図1に示す.生検の適応は,surgically significant discharge(液の性状が血性,漿液性,水様)1)であることを前提として,①細胞診,②分泌液CEA2),マンモグラフィーや乳管造影などの所見,年齢を参考に決定すべきである.少なくともnonsurgica11y sig-nificant discharge(膿性,乳汁様,粘性)1)はその対象とすべきでない.以下,生検法として最も一般的なマイクロドケクトミー3)の手技について述べる.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1278

印刷版ISSN:0386-9857

雑誌購入ページに移動
icon up

本サービスは医療関係者に向けた情報提供を目的としております。
一般の方に対する情報提供を目的としたものではない事をご了承ください。
また,本サービスのご利用にあたっては,利用規約およびプライバシーポリシーへの同意が必要です。

※本サービスを使わずにご契約中の電子商品をご利用したい場合はこちら