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文献詳細

雑誌文献

臨床外科48巻11号

1993年10月発行

文献概要

特集 Dos & Don'ts外来の小外科 Ⅷ.乳幼児の外来外科疾患

9.リンパ節膿瘍

著者: 中平公士1 竹内敏1 大野耕一2

所属機関: 1大阪市立母子センター小児外科 2淀川キリスト教病院外科

ページ範囲:P.290 - P.292

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 病原体が原病巣からリンパ行性に散布すると,所属リンパ節に炎症が波及し炎症細胞が浸潤してリンパ節腫大が起こる.リンパ節被膜や周囲組織まで炎症が拡大すると硬結は増し,可動性がなくなり,圧痛,熱感,発赤(炎症所見)が明らかとなる.その後,膿瘍・壊死形成が起こると発赤・波動が出現して1),理学的にもリンパ節膿瘍(化膿性リンパ節炎)と診断される.小児のリンパ節膿瘍は頸部,特に顎下部に多く(表,図1)2)その起炎菌の大部分は黄色ブドウ球菌またはA群β溶連菌である3,4),頸部リンパ節腫大には日常しばしば遭遇するが,孤立性で炎症所見に乏しいlcmφ程度の小さなリンパ節(nonspecific reactive hyperplasia)の大部分は心配ない3,4).全身リンパ節腫大(頸部,腋窩,鼠径部など)や肝脾腫を伴ったり,炎症所見を欠く大きなリンパ節腫大(2cmφ以上)には,悪性リンパ腫,白血病や神経芽細胞腫などの悪性疾患を念頭におく1)

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1278

印刷版ISSN:0386-9857

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