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雑誌目次

雑誌文献

臨床外科48巻12号

1993年11月発行

雑誌目次

特集 骨盤内悪性腫瘍の機能温存手術

骨盤内臓器の解剖と生理

著者: 佐藤健次

ページ範囲:P.1369 - P.1379

 骨盤内悪性腫瘍に対する機能温存手術の基盤となる骨盤内臓器の動脈,リンパ系,骨盤内筋膜ならびに自律神経について自家所見をもとに解説を試みた.骨盤内臓器を支配する自律神経の用語に関して解剖学書と生理学書の間で混乱がみられるため,その用語についても整理した.さらに,イヌを用いた神経刺激実験の結果から,下腹神経が切断された場合に起こる生理機能,特に射精機能を例にとり,内尿道口の閉鎖機能と関連づけながら,骨盤神経の通る代償経路の存在についても解説を試みた.

〈外科・1〉下部直腸癌に対する機能温存術—排便・排尿・性機能

著者: 森谷宜皓 ,   赤須孝之 ,   杉原健一 ,   北條慶一

ページ範囲:P.1381 - P.1388

 直腸癌に対する機能温存術は括約筋温存術と自律神経温存術とから成る.適応,機能的予後,遠隔成績を検討した.骨盤神経完全温存では片側温存でも満足すべき排尿機能が得られるが,部分温存では残尿などの障害が23%に認められた.しかし,拡大郭清に比較すれば障害は軽い.上下腹神経叢周囲を郭清すると射精障害が出現する.勃起機能の保全には骨盤神経の十分な温存が必要であった.骨盤神経部分温存では満足な性機能の確保が難しく,この神経温存法は排尿機能の温存に有効な術式と考えられた.神経温存群の5生率はDukes B:74%,Duke C:62%で,許容できる成績である.骨盤内悪性腫瘍に対する骨盤外科の意義についても言及した.

〈外科・2〉直腸癌に対する排便・排尿・性機能温存手術

著者: 寺本龍生 ,   渡邊昌彦 ,   北島政樹

ページ範囲:P.1389 - P.1394

 直腸癌に対する機能温存手術のうち,括約筋温存手術は,直腸S状部(Rs),上部直腸(Ra)に関してはほぼ全例に,根治性を損なうことなく可能である.また,最近の吻合法の発達により,腹膜翻転部以下の下部直腸(Rb)でも,安全な肛門側断端を確保した上で,肛門管さえ温存可能であれば技術的に可能であり,術後の排便機能もほぼ満足できる.
 排尿・性機能に関しては,自律神経を意図的に温存することにより機能温存可能であるが,根治性を損なう可能性があるので適応の選択は慎重であらねばならない.

〈婦人科・1〉子宮癌に対する排尿・性機能温存手術

著者: 加藤友康 ,   荷見勝彦

ページ範囲:P.1395 - P.1399

 広汎性子宮全摘術により,良好な治療成績が得られている一方で.骨盤神経叢切断による排尿障害と腟狭小による性交障害が起き,QOLを損なう場合がある.しかし排尿機能は,①基靱帯の骨盤壁起始部において,骨盤内臓神経を分離温存,②下腹神経を骨盤神経叢に入るまで温存,③膀胱への臓側枝を外方に展開,圧排したあと旁腟結合織を切断することにより温存が可能となっている.また腟長温存には,①腟断端抜糸による後腹膜腔への開放,②後腹膜腔洗浄による断端閉鎖予防,③退院後早期の性交奨励を施している.子宮頸癌患者の若年化により,機能温存を重視した広汎性子宮全摘術の必要性は今後いっそう増大していくであろう.

〈婦人科・2〉子宮癌に対する排尿機能温存手術

著者: 吉川裕之 ,   植田国昭 ,   武谷雄二

ページ範囲:P.1401 - P.1406

 広汎性子宮全摘出術においては,30年以上も前から.自律神経温存が施行されてきた.理論的には確立しており,骨盤神経と骨盤神経叢の温存は確実になされてきたが,膀胱枝は視認することが難しく,膀胱枝の温存は理論と経験に基づいた名人芸により,何とか施行されてきたといわざるをえない.これを確実に行うためには,生体における婦人科手術解剖学のより深い理解が必要である.したがって,現段階では広汎性子宮全摘出術における自律神経温存は確立しているとはいいがたい.本稿では,あえて大胆かつ具体的に記述することに努の,ご批判を仰ぐこととしたい.

〈婦人科〉子宮癌手術に対するコメント

著者: 浜野恭一

ページ範囲:P.1407 - P.1408

 子宮癌手術に対する機能温存手術に関するお二方の論文を読ませて頂いた.婦人科手術の詳細については理解できないのは当然であるが,直腸癌に対する機能温存手術を行っている外科医の立場から,少し述べさせて頂きたいと思う.
 歴史的にみると,直腸癌に対する機能温存手術は,従来,自然肛門温存術,すなわち低位前方切除術の適応拡大に主眼が置かれていたといえる.機械吻合,特にdouble stapling techniqueなどの導入により,この問題がほぼ解決した1980年代に,神経温存手術が新しいテーマとして登場してきたわけで,比較的新しい分野といえる.それまでは,拡大郭清すなわち上方向は下腸間膜動脈起始部にはじまり,側方向は内外腸骨動脈に沿って徹底的なリンパ節郭清を行う方法が主流であった.神経温存手術が取り入れられた背景には,患者のQOLの向上はもちろんであるが,現実的には,リンパ節転移のない症例にも,数多く拡大郭清が行われて機能を損なっていたという反省もあったわけである.したがって,後述するように,種々の画像診断を駆使して,癌腫の深達度,リンパ節転移の有無などを術前に把握する試みがなされ,この方面では大きな進歩が生まれた.この結果,現在では,術前に神経温存手術の適応が,かなり正確に決定されるようになったといえよう.

〈泌尿器科・1〉膀胱癌・前立腺癌に対する排尿・性機能温存手術

著者: 岡田清己 ,   遠藤真琴 ,   逸見一之 ,   石田肇

ページ範囲:P.1409 - P.1415

 膀胱癌および前立腺癌の根治手術は著しく患者の予後を改善させてきた.しかし,長期間経過を観察すると,排尿異常および男性機能の喪失によりQOLの低下を招く症例も認められる.このことより,癌の根治性を損なうことなく,機能を保持できる手術法の開発が望まれた.最近に至り,骨盤内の神経の走行が明らかとなり,勃起不全や完全尿失禁を防止する神経保存術が行われるようになった.本術式を成功させる鍵は骨盤内解剖に精通することである,本論においては,詳細に骨盤外科解剖につきのべ,前立腺全摘除術および膀胱全摘除術の際の神経保存術のポイントを示した.

〈泌尿器科・2〉前立腺癌・膀胱癌に対する排尿・性機能温存手術

著者: 岡田裕作

ページ範囲:P.1417 - P.1424

 Walshらの開発した神経温存法による逆行性前立腺全摘術は,年齢,癌進展度などの条件が整えば,90%に術後勃起機能を温存しつつ前立腺癌根治術が行えるという画期的な手術法である.本法は,骨盤神経,神経血管束,前立腺尖部,尿道などの詳細な解剖知見の集約により初めて可能になったのであり,前立腺全摘に際して最も重大な合併症である尿失禁や排尿困難などの合併も大幅に減少させた.同時にこれらの新技術は膀胱癌に対する根治的膀胱全摘術にも応用でき,尿道の処置法は自然排尿可能な代用膀胱を行う上で必須のものとなっている.前立腺癌,膀胱癌で根治術を受ける患者にとって,排尿・性機能を温存できることは,術後のQOLを著しく向上させる.

〈泌尿器科〉膀胱癌・前立腺癌手術に対するコメント

著者: 馬塲正三

ページ範囲:P.1425 - P.1426

 最近,骨盤腔内の解剖の理解が急速に進み,患者のQOLを考えた神経温存術式が広く行われるようになってきている.外科においても,リンパ節転移のない腫瘍で腫瘍径20mm程度の症例に対し,神経温存術式が行われている.
 膀胱癌ならびに前立腺癌に対する機能温存手術に関するお二人の論文を読ませて頂き,大変参考になったが,外科医の立場からいくつかコメントさせていただきたい.

カラーグラフ シリーズ・新しい内視鏡治療・15

胸腔鏡下自然気胸手術(標準術式-2)

著者: 藤野昇三 ,   森渥視 ,   小西孝明 ,   朝倉庄志 ,   加藤弘文

ページ範囲:P.1361 - P.1366

 はじめに
 自然気胸は,呼吸器外科医にとって最も馴染みの深い疾患であり,初めて執刀させてもらった開胸術が自然気胸であったという呼吸器外科医は多い.しかし一方,小さな嚢胞のために開胸術まで行うのは患者に対して申し訳なく感じ,もっと侵襲の少ない方法がないものかと考えた外科医も多いのではないかと思われる.
 近年行われるようになってきた胸腔鏡下手術は,この問題に対する1つの回答であるといえる.
 胸腔鏡の歴史は,1910年のJacobaeus1)の膀胱鏡による胸腔内の観察に始まるとされるが,自然気胸に対する治療としては,1970年代前半ごろより,胸腔鏡下の嚢胞焼灼術2)や生体接着剤の塗布3)が行われるようになった.その後,著しい展開はみられなかったが,1989年に腹腔鏡下胆嚢摘出術が報告されて以来4,5),光学ビデオシステムや内視鏡下手術器具の進歩により,胸腔鏡下手術も急速に普及しつつある6-9)
 本論文では,当科における自然気胸に対する標準的胸腔鏡下手術手技を供覧し,根治性,手術侵襲の軽減,美容面を総合的に考慮した手術適応についての考察を加える.

綜説—今月の臨床

癌治療におけるDrug Delivery System(DDS)

著者: 高橋俊雄 ,   山口俊晴 ,   萩原明於

ページ範囲:P.1427 - P.1431

 癌の薬物治療においては,抗癌剤が癌細胞だけに選択的に作用し,正常細胞には毒性を現さないことが理想である.しかし,これまで膨大な物質のスクリーニングが行われてきたにもかかわらず,このような癌選択毒性をもつ抗癌剤は未だ見いだされていない.
 薬物は生体にとって,病巣部位には治癒のために作用するが,他の部位には毒物として作用することも少なくない.すなわち,諸刃の刃である.薬物送達システム(Drug Delivery System,以下DDSと称す)の目的は,薬剤を標的の病巣に選択的に到達させ,かつこれを必要な時間だけ作用させることにある.すなわち,薬剤の標的へのターゲッティング(targeting)とコントロールリリース(controlled release)である.近年の先端技術の進歩によって,DDSは目覚ましい進歩を遂げ,すでに各種の薬剤に応用されている.

臨床外科トピックス がん遺伝子の基礎と臨床・6

癌遺伝子と乳癌

著者: 戸井雅和

ページ範囲:P.1433 - P.1441

 乳癌は病因論的にきわめて多彩な背景をもつ癌である.閉経状況,妊娠・出産歴などのホルモン環境,家族歴,食事など非常に多くの因子が乳癌の病因の1つとして挙げられている.これらの多彩な背景を反映するかのように,遺伝子の異常,すなわち,癌遺伝子の遺伝子増幅,蛋白の過剰発現あるいは癌抑制遺伝子の変異,染色体の欠失などもまた,非常に多様であることが最近明らかになってきた.本稿では,これらの種々の遺伝子異常のなかからトピックスとなっているものを取り上げながら論を進めてゆきたい.

病院めぐり

愛知県がんセンター消化器外科/鹿児島県立大島病院外科

著者: 紀藤毅

ページ範囲:P.1442 - P.1443

 愛知県がんセンターは,公園,山,池に囲まれた名古屋市の東部に位置し,病院と研究所を併有した東海地方における癌制圧の拠点として,昭和39年に設立されました.昭和61年から全面改築が行われており,平成4年5月には新病院棟500床がオープンしました.平成6年3月には,外来棟,国際医学交流センターが完成する予定です.
 外科は,頭頸部外科,胸部外科,乳腺外科.消化器外科の4部に分かれています.消化器外科は,スタッフ10名,レジデント8名,研修医2名の計20名で構成されており,約100床を担当しています.レジデントは,全国から広く募集されており,臨床研究班は,胃癌,大腸癌,肝・胆・膵の癌,移植の4班に分かれています.

一般外科医のための医療材料カタログ・8

血管内留置カテーテル

著者: 高石聡 ,   尾崎正彦

ページ範囲:P.1444 - P.1446

 はじめに
 血管内留置カテーテルには静脈内留置カテーテルと動脈内留置カテーテルがある.前者は高カロリー輸液や中心静脈モニタリングのルートとして用いられており,後者は主に消化器癌術後の持続的抗癌剤動脈内注入のルートとして用いられる.最近では,QOLを念頭に置き,体内埋め込み式薬液投与システムを用いた在宅経静脈栄養法(HPN:Home Parenteral Nutrition)や,通院による抗癌剤動注療法なども施行されるようになってきた.今回は一般的に消化器外科領域で用いられるカテーテルを中心に,その材質,用途および使用上の注意点につき考えてみることにする.

外科研修医実践講座・6

低位前方切除術における手縫い吻合と器械吻合

著者: 堀孝吏 ,   坂本昌義

ページ範囲:P.1449 - P.1453

 はじめに
 1985年1月より1992年12月の間に,当科で施行された原発直腸癌に対する根治手術は236症例であり,そのうち低位前方切除術が施行されたのは144症例(約61%)である.スタッフが術者の場合は自動吻合器を用いる傾向が強いが,レジデントが術者の場合は手縫い吻合を行うことが多い(図1).以下,当科での標準的な低位前方切除術の手順を記す.

Medical Essay メスと絵筆とカンバスと・11

療養所勤務

著者: 若林利重

ページ範囲:P.1454 - P.1455

 東京警察病院の外科に勤めていた先輩が肺結核になり療養を要するということになったため,3か月交代で医局から応援医師を派遣することが決った.最初に久野敬次郎先生(元・癌研外科部長),次が故・綿貫喆先生(慈恵医大教授),そして3番目が私になった.1944年のことである.
 まもなく3か月の応援が終ろうとしたとき,当時の塩沢総一院長と外科医長の吉岡一先生から応援期間を少し延ばしてくれないかといわれた.たしかに3か月の担当では患者には気の毒であり,後髪をひかれる思いのする患者もいる.大学の医局長に相談したら,次の応援医師がまだきまらないからもう少しつづけてやってくれということである.私は大学でティーテルアルバイトを始めたところだった.警察病院は手術も多いし,動物実験室もあるので,ティーテルアルバイトをここで片付けてしまおうと考え,もう暫くとどまることにしたのである.

臨床研究

小腸アニサキス症の早期診断における超音波検査の有用性について

著者: 井戸弘毅 ,   湯浅肇 ,   岡田政信 ,   井出満 ,   利光鏡太郎 ,   縣裕篤

ページ範囲:P.1457 - P.1462

 はじめに
 小腸アニサキス症は早期診断が困難で急性虫垂炎,イレウスなどの急性腹症として開腹され,初めて本症と診断される例が多い1-5).しかし,本疾患は保存的治療により改善されることが多く,早期診断法の開発が望まれている.最近,超音波装置の進歩に伴い,消化管も腹部超音波検査の対象となり,小腸アニサキス症においても,腹水,小腸の浮腫などが超音波所見として報告されている2,5,6).今回われわれは,最近経験した8例の小腸アニサキス症の腹部超音波像を検討することにより,本症の早期診断における超音波検査の有用性について知見を得たので報告する.

十二指腸乳頭部癌の予後に関する臨床病理学的検討

著者: 吉田隆典 ,   北野正剛 ,   井餘田直慶 ,   中島公洋 ,   金良一 ,   小林迪夫

ページ範囲:P.1463 - P.1467

 はじめに
 十二指腸乳頭部癌(乳頭部癌)の予後規定因子としては,組織学的膵臓浸潤や組織学的リンパ節転移を指摘する報告1-4)が多いが,症例によっては治癒切除がなされたと考えられても,早期に再発死亡する場合がある.そこで今回,自験例を胆道癌取扱い規約5)に準じて分類し,乳頭部癌の予後に関する組織学的因子と再発様式について検討を加えたので報告する.

臨床報告

急性肝炎の治療中に発見された脾臓内炎症性偽腫瘍の1症例

著者: 小笠原邦夫 ,   西井博 ,   近藤肇彦 ,   青木克哲 ,   詫間通央 ,   熊谷久治郎

ページ範囲:P.1469 - P.1472

 はじめに
 炎症性偽腫瘍(inflammatory pseudotumor,IPs)は種々の臓器に発生するまれな良性疾患で,特に脾臓に発生するIPsは非常にまれとされている.炎症の原因は不明であるが,近年,画像診断技術の進歩により,膵,肝の腫瘍の診断能力は著しく向上してきており,IPsの報告は多くなる傾向にある.筆者らも最近,脾臓内IPsの症例を経験したので,文献的考察を加えて報告する.

外歯瘻による顔面の難治性感染腫瘤の3例

著者: 栗原卓也 ,   井上健夫 ,   藤野豊美 ,   中嶋英雄 ,   金子剛

ページ範囲:P.1473 - P.1477

 はじめに
 粉瘤などの顔面小腫瘤の治療は,一般外科臨床における外来小手術の代表的なものである.近年の形成外科の普及により,顔面部の腫瘤の手術に当たっては,整容的観点からその治療を形成外科に依頼される外科医も多い.その中で,歯瘻の存在が念頭にないがゆえに,治療に難渋する症例がある.本稿では外歯瘻の診療上の問題点や注意点を中心に報告する.
 外歯瘻は齲蝕の進行や不十分な根管治療によって生じた根尖病巣や埋伏歯の感染による顎骨内の慢性化膿性炎が顔面皮膚に瘻孔を形成するもので,口腔内に瘻孔が開口する場合は内歯瘻とされる(図1)

妊娠中に発生した大腸穿孔—大腸癌併存例に対する1治験例

著者: 植松正久 ,   冨永純男 ,   坂野茂 ,   頼文夫 ,   花岡道治 ,   端野博康

ページ範囲:P.1481 - P.1485

 はじめに
 妊娠中は,急速に増大する妊娠子宮の圧迫による腸虚血から腸穿孔をきたしやすいと考えられる.今回われわれは,妊娠中に発生し,妊娠を契機に増悪した,大腸癌が誘因と考えられる大腸穿孔症例を経験した.妊娠に併発した大腸癌はきわめてまれであるため,文献的考察を加えて報告する.

術中部位診断が困難であった上皮小体腺腫に対してmethylene blue点滴静注が有用であった1例

著者: 中野昌彦 ,   山田勝博 ,   副島淳一 ,   中島一博 ,   真鍋英夫 ,   西方不二彦

ページ範囲:P.1487 - P.1489

 はじめに
 われわれは,異所性上皮小体腺腫が疑われた症例に対してUS,CTなどを施行したが無効であった.術中においても存在部位診断が困難であった,そこで,methylene blueを点滴静注したところ,非常に有用であったので,若干の文献的考察を加えて報告する.

基本情報

臨床外科

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN 1882-1278

印刷版ISSN 0386-9857

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