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文献詳細

雑誌文献

臨床外科48巻12号

1993年11月発行

特集 骨盤内悪性腫瘍の機能温存手術

〈外科・1〉下部直腸癌に対する機能温存術—排便・排尿・性機能

著者: 森谷宜皓1 赤須孝之1 杉原健一1 北條慶一1

所属機関: 1国立がんセンター中央病院外科

ページ範囲:P.1381 - P.1388

文献概要

 直腸癌に対する機能温存術は括約筋温存術と自律神経温存術とから成る.適応,機能的予後,遠隔成績を検討した.骨盤神経完全温存では片側温存でも満足すべき排尿機能が得られるが,部分温存では残尿などの障害が23%に認められた.しかし,拡大郭清に比較すれば障害は軽い.上下腹神経叢周囲を郭清すると射精障害が出現する.勃起機能の保全には骨盤神経の十分な温存が必要であった.骨盤神経部分温存では満足な性機能の確保が難しく,この神経温存法は排尿機能の温存に有効な術式と考えられた.神経温存群の5生率はDukes B:74%,Duke C:62%で,許容できる成績である.骨盤内悪性腫瘍に対する骨盤外科の意義についても言及した.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1278

印刷版ISSN:0386-9857

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