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文献詳細

雑誌文献

臨床外科48巻12号

1993年11月発行

綜説—今月の臨床

癌治療におけるDrug Delivery System(DDS)

著者: 高橋俊雄1 山口俊晴1 萩原明於1

所属機関: 1京都府立医科大学第1外科

ページ範囲:P.1427 - P.1431

文献概要

 癌の薬物治療においては,抗癌剤が癌細胞だけに選択的に作用し,正常細胞には毒性を現さないことが理想である.しかし,これまで膨大な物質のスクリーニングが行われてきたにもかかわらず,このような癌選択毒性をもつ抗癌剤は未だ見いだされていない.
 薬物は生体にとって,病巣部位には治癒のために作用するが,他の部位には毒物として作用することも少なくない.すなわち,諸刃の刃である.薬物送達システム(Drug Delivery System,以下DDSと称す)の目的は,薬剤を標的の病巣に選択的に到達させ,かつこれを必要な時間だけ作用させることにある.すなわち,薬剤の標的へのターゲッティング(targeting)とコントロールリリース(controlled release)である.近年の先端技術の進歩によって,DDSは目覚ましい進歩を遂げ,すでに各種の薬剤に応用されている.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1278

印刷版ISSN:0386-9857

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