文献詳細
綜説—今月の臨床
癌治療におけるDrug Delivery System(DDS)
著者: 高橋俊雄1 山口俊晴1 萩原明於1
所属機関: 1京都府立医科大学第1外科
ページ範囲:P.1427 - P.1431
文献概要
薬物は生体にとって,病巣部位には治癒のために作用するが,他の部位には毒物として作用することも少なくない.すなわち,諸刃の刃である.薬物送達システム(Drug Delivery System,以下DDSと称す)の目的は,薬剤を標的の病巣に選択的に到達させ,かつこれを必要な時間だけ作用させることにある.すなわち,薬剤の標的へのターゲッティング(targeting)とコントロールリリース(controlled release)である.近年の先端技術の進歩によって,DDSは目覚ましい進歩を遂げ,すでに各種の薬剤に応用されている.
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