icon fsr

文献詳細

雑誌文献

臨床外科48巻13号

1993年12月発行

特集 スキルス胃癌の診断と治療

びまん浸潤型(スキルス)胃癌の腹膜播種性転移と腹腔内洗浄細胞診

著者: 加藤保之1 曽和融生1

所属機関: 1大阪市立大学医学部第1外科

ページ範囲:P.1537 - P.1543

文献概要

 最近21年間に教室で経験した,びまん浸潤型胃癌218例(8.7%)の腹膜播種性転移と腹腔内洗浄細胞診を行った42例について検討し,以下の結果が得られた.腹膜播種性転移陽性率は50.5%と高率であった.切除例153例の治癒切除率は38.6%と低率であった.びまん浸潤型胃癌218例の遠隔成績は,5年生存率が6.7%,治癒切除例18.8%,非治癒切除例4.1%と不良であった.細胞診を施行した42例のうち,P0で細胞診陽性例が5例(25%)あり,5年生存率は,P0で細胞診陰性例は22.7%,陽性例は0%,P陽性で細胞診陰性例は11.1%,陽性例は9.2%と,細胞診陽性例の遠隔成績は不良であった.以上,びまん浸潤型胃癌は腹膜播種性転移が高率かつ高度であり,切除率ならびに治癒切除率が低率で,腹腔内洗浄細胞診陽性例の遠隔成績は不良であった.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1278

印刷版ISSN:0386-9857

雑誌購入ページに移動
icon up

本サービスは医療関係者に向けた情報提供を目的としております。
一般の方に対する情報提供を目的としたものではない事をご了承ください。
また,本サービスのご利用にあたっては,利用規約およびプライバシーポリシーへの同意が必要です。

※本サービスを使わずにご契約中の電子商品をご利用したい場合はこちら