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文献詳細

雑誌文献

臨床外科48巻13号

1993年12月発行

特集 スキルス胃癌の診断と治療

スキルス胃癌に対する抗癌化学療法の検討

著者: 才川義朗1 久保田哲朗1 大谷吉秀1 熊井浩一郎1 北島政樹1

所属機関: 1慶應義塾大学医学部外科

ページ範囲:P.1581 - P.1585

文献概要

 1986年1月より1992年7月までに,当教室にて手術,免疫化学療法などの治療を施行した胃癌症例1,024例中,スキルス胃癌は69例(6.7%)であり,本稿ではこの69例を対象に抗癌化学療法の意義について検討した.MTT法によるin vitro抗癌剤感受性試験の検討では,スキルス胃癌20例は,非スキルス胃癌55例と比較してより高い抗癌剤感受性をもっていることが示された.一方,MMCおよびFU製剤を原発巣切除後投与した21例と化学療法非施行症例10例の遠隔成績の検討では,両群の成績に有意な差は認められなかった(P=0.488).近年,新しい併用化学療法として,スキルス胃癌に対しEAP療法(3例),MTX/5—FU時間差投与療法(2例),FP療法(1例)を施行したが,特にMTX/5—FU時間差投与療法やFP療法が良好な成績を示した.今後,効果的なregimenを選択することにより,スキルス胃癌の治療成績の向上が期待される.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1278

印刷版ISSN:0386-9857

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