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文献詳細

雑誌文献

臨床外科48巻2号

1993年02月発行

文献概要

特集 消化管の機能温存手術

胃全摘後の回・結腸による再建術

著者: 柴田純祐1 小玉正智1 川口晃1

所属機関: 1滋賀医科大学第1外科

ページ範囲:P.169 - P.175

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 胃全摘後の愁訴,特に逆流性食道炎を防止するため,Bauhin弁を利用した回・結腸間置術を施行した.手術は,回腸末端7cm,盲腸上行結腸15cmの有茎腸管を作成し,食道十二指腸間に挙上した.手術成績は,逆流性食道炎は1例もなく,それは術後バリウム造影,食道内視鏡検査でも証明された.ダンピング症候群は36.7%あるが重症例はなく,糖負荷試験でも正常に近い型を示し,脂肪蛋白質の消化吸収試験もRoux-Y法と比較してもよい結果であった.また,幽門温存胃切除後の間置術は,さらにダンピング症状が少なく理想的な再建術である.以上,胃全摘後回・結腸間置術は,逆流性食道炎を完全に防止でき,他の愁訴も少なく,優れた再建術式であると考える.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1278

印刷版ISSN:0386-9857

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