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文献詳細

雑誌文献

臨床外科48巻2号

1993年02月発行

文献概要

特集 消化管の機能温存手術

全胃・幽門輪温存膵頭十二指腸切除術

著者: 高田忠敬1

所属機関: 1帝京大学医学部第1外科

ページ範囲:P.179 - P.184

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 悪性疾患に対し根治性を追求し拡大手術が展開されている一方で,術後の消化機能の保存を企画した温存術式の必要性が要求されている.膵頭十二指腸切除術(PD)は,消化器外科領域で最も切除範囲および侵襲の大きな手術の1つである.これに対する温存手術として幽門輪温存膵頭十二指腸切除術(PPPD)が導入された.このPPPDでは,これまでのWhippleprocedureといわれるPDに比べて以下のものが温存される.①温存臓器:全胃,幽門輪,十二指腸球部,②消化管機能:十分な食事摂取ができ,術後の体重維持がはかれる,③消化管ホルモン分泌:健常人に近い.当初,懸念された術後の消化性潰瘍の発生率は,従来のPDとほぼ同様かあるいはそれよりも低かった.また,術後の社会復帰率が高いこともこの術式の特徴の1つである.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1278

印刷版ISSN:0386-9857

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