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特集 消化管の機能温存手術
全胃・幽門輪温存膵頭十二指腸切除術
著者: 高田忠敬1
所属機関: 1帝京大学医学部第1外科
ページ範囲:P.179 - P.184
文献購入ページに移動 悪性疾患に対し根治性を追求し拡大手術が展開されている一方で,術後の消化機能の保存を企画した温存術式の必要性が要求されている.膵頭十二指腸切除術(PD)は,消化器外科領域で最も切除範囲および侵襲の大きな手術の1つである.これに対する温存手術として幽門輪温存膵頭十二指腸切除術(PPPD)が導入された.このPPPDでは,これまでのWhippleprocedureといわれるPDに比べて以下のものが温存される.①温存臓器:全胃,幽門輪,十二指腸球部,②消化管機能:十分な食事摂取ができ,術後の体重維持がはかれる,③消化管ホルモン分泌:健常人に近い.当初,懸念された術後の消化性潰瘍の発生率は,従来のPDとほぼ同様かあるいはそれよりも低かった.また,術後の社会復帰率が高いこともこの術式の特徴の1つである.
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