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文献詳細

雑誌文献

臨床外科48巻2号

1993年02月発行

特集 消化管の機能温存手術

骨盤内自律神経の片側および部分温存手術

著者: 沢田俊夫1 武藤徹一郎1

所属機関: 1東京大学医学部第1外科

ページ範囲:P.217 - P.223

文献概要

 骨盤内自律神経の片側および部分温存手術の適応は,側方リンパ節転移のリスクによって決められる.下部直腸進行癌203例(1963〜1991)の検討から,al以下・上方n(−)の側方転移率は14.0%(15/107)と最小であり,またa2以上・上方n(−)は15.4%(6/39),al以下・上方n(+)は18.4%(7/38)であり,これらの群に機能温存の適応があると考えられた.また,腫瘍主座が片側性の9例では,78%で同側側方転移を認めた.機能温存低位前方切除41例では,術後1週間以内にバルーンカテを抜去できた例が31例(76%)であり,ほかもすべて1〜3か月で自排尿が可能となった.また,性機能の検討(15例)では,勃起障害が8例(53.3%),射精障害も12例(80.0%)と高頻度であり,部分温存例に射精可能例はなかった.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1278

印刷版ISSN:0386-9857

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