文献詳細
臨床報告
後腹膜の膵性コリストーマの1例
著者: 渡邊至1 山口正人1 佐藤智1 市川宏文1 葛西森夫1 渡部信之2 小林清3
所属機関: 1NTT東北病院外科 2NTT東北病院放射線科 3NTT東北病院内科
ページ範囲:P.251 - P.256
文献概要
コリストーマ(choristoma)の多くは,耳鼻科領域では舌根部および舌近傍1-3),中耳・外耳に4,5),眼科では角膜,脈絡膜などに発生し6-9),本来の由来臓器から離れて存在する異所性組織が腫瘍を形成したもので,分離腫と邦訳されている.上記の各分野では,骨形成を伴った骨性分離腫としての報告が多い.
われわれは,術前診断が困難であった後腹膜の多房性嚢腫を摘除し,内容液のアミラーゼの高値に加えて,組織学的検索により膵性コリストーマと診断された症例を経験した.稀な症例として報告し,画像診断および病理組織診断上で興味ある所見を呈示する.
掲載誌情報