文献詳細
臨床外科トピックス がん遺伝子の基礎と臨床・2
文献概要
はじめに
1953年にワトソンとクリックがDNAの二重らせん構造のモデルを提唱して以来,わずか40年の間に分子生物学は急速な進歩をとげ,生命科学の各分野に多大な影響を及ぼしている.癌は遺伝子の病気という概念が築かれつつあるのが現状と考えられるが,その意味でも分子生物学的手法を用いた研究は癌の本質に迫るものと思われる.
近年,癌における遺伝子異常の検索が精力的に行われ,多数の癌遺伝子が同定され,その構造と機能が解明されてきた.一方,癌遺伝子の活性化という攻撃的な因子に対し,癌化に対する防御因子としての癌抑制遺伝子の存在が最近にわかに注目されるようになってきている.食道癌の癌遺伝子および癌抑制遺伝子に関する研究は1980年代後半より報告されるようになり,最近は多くの施設で広く研究されるようになってきた.本稿では,食道癌における癌遺伝子および癌抑制遺伝子研究の現状を概説し,臨床への接点を探ってみたいと思う.
1953年にワトソンとクリックがDNAの二重らせん構造のモデルを提唱して以来,わずか40年の間に分子生物学は急速な進歩をとげ,生命科学の各分野に多大な影響を及ぼしている.癌は遺伝子の病気という概念が築かれつつあるのが現状と考えられるが,その意味でも分子生物学的手法を用いた研究は癌の本質に迫るものと思われる.
近年,癌における遺伝子異常の検索が精力的に行われ,多数の癌遺伝子が同定され,その構造と機能が解明されてきた.一方,癌遺伝子の活性化という攻撃的な因子に対し,癌化に対する防御因子としての癌抑制遺伝子の存在が最近にわかに注目されるようになってきている.食道癌の癌遺伝子および癌抑制遺伝子に関する研究は1980年代後半より報告されるようになり,最近は多くの施設で広く研究されるようになってきた.本稿では,食道癌における癌遺伝子および癌抑制遺伝子研究の現状を概説し,臨床への接点を探ってみたいと思う.
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