icon fsr

文献詳細

雑誌文献

臨床外科48巻4号

1993年04月発行

文献概要

特集 治療的ドレナージ

汎発性腹膜炎のドレナージ

著者: 前田宜包1 中村紀夫1

所属機関: 1東京慈恵会医科大学柏病院救急診療部

ページ範囲:P.471 - P.476

文献購入ページに移動
 汎発性腹膜炎とは,消化管が穿孔したり腹腔内膿瘍が破裂し,消化液や細菌が腹腔内全体に拡がり,炎症を起こしている状態をいう.このような症例を救命するためには,適切なドレナージが図られなければならない.治療法の選択は,腹膜炎の原疾患の種類と,腹膜炎自体の重症度によって決定される.ドレナージ手術の要点としては,①原発巣の処理,②起炎物質および炎症性産物の排除,の2点である.また,汎発性腹膜炎の特性として,腹膜炎の進行によって生じる麻痺性イレウスに伴って,腸内細菌のbacterial translocationを起こし,全身状態を悪化させる.したがって,高度の腸管麻痺がある場合は腸内容を排除したり,腸内殺菌を行う必要がある.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1278

印刷版ISSN:0386-9857

雑誌購入ページに移動
icon up
あなたは医療従事者ですか?